横浜調理師専門学校・フランソワ・ラブレ高校訪問!



レポート:西久美子【リヨン在】











去る1127日(月)、日本からはるばるリヨンにやってきた横浜調理師専門学校(以下、横浜校)のみなさんが、研修を兼ねて、姉妹校であるリヨンのフランソワ・ラブレ高校を訪問しました。昨年の訪問ではフランス人の生徒たちとの交流の場がもてなかったそうですが、今年はなんと、実際に両国の学生が一緒に料理をしながら交流を深めるという楽しい試みとなりました。そのお手伝いとして簡単な通訳をさせていただきましたので、報告いたします!

フランスに到着したてホヤホヤの横浜校の皆さんがリヨン市内でバスに乗り込んだのはまだ朝8時過ぎ。時差と緊張とで少し張り詰めた雰囲気がただよっていましたが、しばらくしてガイドさんの一声でバスの窓から朝日を浴びた美しいローヌ川が見えると、大きな歓声があがり、バス内のテンションが次第に上がっていきます。20分後、高速を抜けると、大きな敷地内にそびえたつラブレ校に到着。

まずはラブレ校の先生より学校の紹介をしていただきました。1975年に創立されたラブレ校には、大きくわけて調理科とホテル科(給仕も含む)があり、調理科はさらに料理・菓子・生肉・パンのコースに分かれているのだそうです。学生は一日約6時間の授業があり、取得したいディプロムにあわせて、各自2・4・6年の学校生活を送ります。尚、ラブレ校は国立のため、授業料は無料だそうです。これを聞いたわたしたちが驚いたのはいうまでもありません。

ラブレ校からいただいたオリジナルのコック帽をかぶり、白衣に着替えた横浜校のみなさんは、4つのグループ(料理・菓子・生肉・パン)にわかれて、いざ、フランス人の学生たちが待つ教室へ出陣。わたしはパンのグループに同行しました。

教室へ入ると、10人強の学生と先生が出迎えてくださいました。学生の最年少は16歳、そして50代の女性もいました。教室には大きなオーブンや、パンの生地を練る機械があります。その日の授業では、最終的な発酵を終えてねかせてあった生地がすでに用意されており、横浜校の約10人の生徒さんは、それぞれフランス人と組んで、生地を伸ばして切って形を作ったり、オーブンに入れたり、焼きあがったパンのチェックを体験したりしました。最初はとまどっていたフランスの学生も、次第に慣れ、生地の成形のコツを伝授したり、形を整えたパンに卵をぬる作業の見本を見せたりしてくれました。各テーブルによってパンの種類は異なり、その日はフランスパン(バゲット)、バターが入ったブリオッシュ(クロワッサンなど)、ふすま入りの黒っぽい田舎パン、クルミ入りのパンなどがありました。また「飾りパン」を紹介してくれた学生さんは、小麦の穂やバラの形をした綺麗なパンを作ってくれました。横浜校の生徒さんは彼があまりに器用にハサミを操つるので驚いていました。焼く直前にナイフでパンの生地に切り目を入れる作業や、オーブン内の水蒸気の量を調節する作業なども興味深いものでした。先生のご好意で、横浜校の生徒さんたちは焼きあがったパンを試食しました。先生によれば、イーストが元気に活動したパンの場合、パンの中身に大小の「いびつ」な穴がたくさんできるそうで、それがおいしさのバロメーターだそうです。横浜校の生徒さんたちも興味深そうにうなづき、試食を楽しんでいました。また「こんなにたくさん作ったパンはこのあとどうするのですか?」という横浜校の生徒さんの質問に、先生は「学校内のレストランや食堂で食べるほか、一般のレストランやパン屋にも売ります。宅配もしてるんですよ」とお答えくださいました。

それぞれのグループの調理が終わると、ラブレ校内のレストランで試食を兼ねた食事会がおこなわれました。はじめに、横浜調理師学校とラブレ校の姉妹校提携の際にご貢献なさったジョルジュ・ドラングルさんが日本語で「わたしの心はいつも日本にいます」と挨拶すると、横浜校の生徒さんは大喜び。そして、その日の調理実習でつくった料理を順に皆でいただきました。前菜は、玉ねぎとベーコンのキッシュ。メインは豚肉のソテーと千切りのじゃがいもを軽くボイルして焼いたもの(付け合せはベーコンで巻いたインゲン)。そしてリヨンの名物サン=マルスラン・チーズのあと、デザートはサバイヨン・ソース(卵黄、砂糖、レモンの皮やアルコールを混ぜた温かく甘いソース)でした。もちろん一緒に出てきたパンも生徒さんの共同作品です!

食事を終えると、ラブレ校から横浜校の学生さんたちに、しっかりと研修を受けたという免状と料理本が贈られました。また横浜校の生徒さんからは、楽しかった、フォアグラを初めて調理して貴重な経験をした、などの意見があがり、日本側からもフランス側からも、来年にまたつなげようという確認がなされました。